「紙ノートがたまって整理できない」「iPadだと目が疲れる…」そんな悩みから、電子ペーパーノートが気になっている方は多いはず。
結論から言うと、仕事で使うなら「書き心地」「AI機能」「シンプルさ」のどこを重視するかで最適な1台が変わります。
この記事では、代表的な6モデルを比較しつつ、20〜40代会社員が失敗しない選び方を分かりやすく解説します。
電子ペーパーノートを選ぶための重要ポイント
1. 「何をしたいか」を最初に決める
電子ペーパーノートと一口に言っても、性能は大きく3タイプに分かれます。
- 紙ノート感覚の“手書き特化タイプ”
例:フリーノ FRN10、電子ノート WG-PN1
→スケジュール管理やメモ中心。「とにかく紙を減らしたい」人向け。 - AI・クラウド機能が強い“スマートノートタイプ”
例:AINOTE Air 2
→音声文字起こし、翻訳、ChatGPT連携、手書き文字の自動テキスト化など、会議メモ〜議事録作成まで1台で完結。 - Android搭載の“多機能タブレットタイプ”
例:BOOX Note Air3 C
→Google Play対応でKindleなどの電子書籍アプリも利用可能。カラー電子ペーパーで資料閲覧にも強い。
「ノート代わり」なのか、「AI議事録+資料ビューア」まで求めるのかで、選ぶべきモデルが変わります。
2. 画面サイズと持ち運び頻度
- A5〜10インチクラス(QUADERNO、BOOX、Supernote A5 X2)
→A4資料のPDF閲覧や、会議ノートとして使いやすいサイズ。 - 6〜8インチクラス(フリーノ、WG-PN1、AINOTE Air 2、Supernote A6 X2 Nomad)
→通勤バッグや小さめのカバンにも入れやすく、毎日持ち歩きたい人向け。
富士通のQUADERNO A5モデルは約261gと非常に軽量で、紙ノート感覚で持ち運べるのが特徴です。
3. 書き心地と“目の疲れにくさ”
今回紹介する製品は、いずれもE Ink(電子ペーパー)を採用しており、紙のように見やすくブルーライトも少なめ。
- QUADERNO・Supernote・フリーノなどは、ペン先と画面の摩擦感や筆圧検知を工夫し、「紙に書いているような感触」を追求しています。
- SupernoteはFeelWrite 2という自己回復フィルム+セラミックペン先で、独特の気持ちいい書き心地を実現しています。
4. AI機能・クラウド連携の有無
- AINOTE Air 2
- ChatGPT連携による要約・議事録作成
- 音声文字起こし(15言語)、手書き認識(83言語)
- クラウド連携でスマホやPCからノート閲覧可能
- BOOX Note Air3 C
- Androidベースで、Google Playのアプリをインストール可能
- 電子書籍・PDFリーダーとしても高評価
- Supernote A5 X2 / A6 X2
- 独自OS+クラウド連携。DropboxやGoogle Driveとの同期が可能(A5 X2 Manta)。
「紙代わりにメモだけ取れれば良い」のか、「AIで議事録まで作りたい」のかで候補が大きく変わります。
5. サステナビリティ・長期利用のしやすさ
- Supernote A5 X2はバッテリーやマザーボードを交換できるモジュラー設計で、長く使える点が大きな特徴。電子廃棄物削減にも配慮された設計です。
- 電子ペーパーは紙ノートに比べて、長期的には紙・インク代の削減にもつながります。
製品の比較一覧(おすすめ度つき)
主要モデル比較表
| 製品名 | 画面サイズ・特徴 | 強み | 向いている用途 | 想定価格レンジイメージ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| QUADERNO(クアデルノ) | A5/A4クラス電子ペーパー、カラー書き込み対応 | 軽量・薄型、PDF手書き注釈、カラーで8色の書き込みが可能 | 会議資料への書き込み、紙ノート代替 | 中〜やや高め | ★★★★★ |
| AINOTE Air 2 | 約8.2インチ電子ペーパー+AI | 音声文字起こし、翻訳、ChatGPT連携などAI機能が非常に強力 | 会議メモ〜議事録作成、語学学習 | 中〜高め | ★★★★★ |
| BOOX Note Air3 C | 10.3インチカラーE Ink | Android搭載、Google Play対応、カラー表示で資料閲覧に強い | 電子書籍・技術書・資料閲覧+ノート | 高め | ★★★★☆ |
| フリーノ FRN10 | 6.8インチ電子ペーパー | シンプルな手書き特化、ワコムペン採用で自然な書き心地 | 手帳・メモ、個人のアイデアノート | 中程度 | ★★★★☆ |
| 電子ノート WG-PN1 | 6インチ電子ペーパー | 約210gと軽量、最大7,000ページ保存、ToDo機能付き手帳的ノート | スケジュール管理、タスク管理 | 低〜中価格帯 | ★★★★☆ |
| Supernote A5 X2 / A6 X2 Nomad | A5(10.7インチ) / A6(7〜8インチクラス) | FeelWrite 2+セラミックペン先の書き心地、モジュラー設計で長期利用向き | 毎日ガッツリ書くビジネスノート、クリエイティブワーク | 高め | ★★★★★ |
※価格レンジは2025年時点の一般的な目安イメージです。実際の販売価格はAmazon・楽天などのECサイトで必ずご確認ください。
各モデルの特徴とメリット・デメリット
QUADERNO(クアデルノ)
特徴
- 富士通の電子ペーパー端末。A5サイズで約261gと非常に軽量・薄型。
- 現行のGen.3Cモデルでは8色のカラーで書き込みができ、資料への色分けやマーカーがしやすい。
- PDFへの手書き書き込み、スケジュール管理、ノートテンプレートなど、ビジネス用途に適した機能を搭載。
メリット
・白黒+カラーの電子ペーパーで、目が疲れにくく紙に近い見やすさ
・軽さ・薄さに優れ、A5ノート感覚で持ち運びやすい
・富士通公式アプリとの連携で、PCやスマホとのファイル同期も可能
デメリット
・AI音声文字起こしなどの“賢い機能”は搭載しておらず、あくまで「紙の延長」的な位置づけ
・フル機能を使いこなすには、最初に多少の設定・同期作業が必要
こんな人におすすめ
・紙のノートや紙資料から、電子ペーパーに自然に乗り換えたい人
・会議資料(PDF)への書き込みを中心に使いたいビジネスパーソン
AINOTE Air 2
特徴
- iFLYTEKが開発したAI電子ノート。
- 8.2インチのE Inkディスプレイに、ChatGPT連携・音声文字起こし・翻訳・手書き認識などのAI機能を搭載。
- 手書きメモ・録音・AI要約を組み合わせることで、会議の議事録をほぼ自動で作成可能。
メリット
・会議中は「話に集中」しつつ録音→終了後にAIで要約&議事録化できる
・クラウド連携でスマホ・PCからもノートを確認・共有できる
・15言語対応の音声文字起こし、10言語のリアルタイム翻訳、83言語の手書き認識でグローバルな業務にも対応
デメリット
・機能が多いため、「ただ手書きメモを取りたいだけ」の人にはオーバースペックになりがち
・ネット接続やクラウドを前提とした使い方が多く、オフラインでのシンプル運用にはやや不向き
こんな人におすすめ
・会議やオンラインMTGが多く、議事録作成に毎回時間を取られている人
・語学学習や海外とのやり取りが多いビジネスパーソン
BOOX Note Air3 C
特徴
- 10.3インチのカラーE Ink(Kaleido 3)ディスプレイを搭載し、モノクロ300ppi/カラー150ppiで表示。
- Qualcomm 8コアCPU、4GB RAM、64GBストレージなど、タブレットとしても十分なスペック。
- Androidベース+Google Play対応で、Kindleや楽天Koboなど好みのリーダーアプリを導入可能。
メリット
・カラー表示ができるため、プレゼン資料やカラーダイアグラムの確認がしやすい
・メモアプリ・電子書籍・PDFビューアを1台に集約できる
・BOOX独自の「Super Refresh(BSR)」で、電子ペーパーながら比較的滑らかなスクロール・アプリ動作が可能
デメリット
・他モデルに比べて価格は高め
・多機能ゆえに、設定やアプリ整理など「タブレットの管理」が必要
・起動やアプリによってはもたつきを感じる場合もある、というレビューもある
こんな人におすすめ
・技術書・資料・論文をよく読むエンジニア・コンサル・研究職
・「電子書籍リーダー+手書きノート+PDFビューア」を1台で済ませたい人
デジタルノート「フリーノ」FRN10
特徴
- キングジムのデジタルノート。6.8インチの電子ペーパーディスプレイ(1440×1080、265dpi)。
- E Ink+フロントライトで、暗い場所でも利用可能。
- ワコム製デジタイザーペンを採用し、筆圧に応じたなめらかな書き心地を実現。
メリット
・紙の手帳感覚で、直感的にメモ・スケジュールが書ける
・PDF読み込み・書き込みにも対応し、資料への書き込みにも使える
・機能がシンプルで、「電子ノート初心者」でも迷いにくい
デメリット
・AI系の高度な機能や、汎用アプリのインストールには非対応
・ディスプレイサイズは大型モデルに比べると小さめで、A4資料の閲覧にはやや不向き
こんな人におすすめ
・「まずは紙手帳を電子化してみたい」ビジネスパーソン
・手軽に持ち歩けるデジタルメモ帳が欲しい人
電子ノート WG-PN1
特徴
- シャープの電子ノート。6インチ電子ペーパーディスプレイ+約210gの軽量ボディ。
- 最大7,000ページ分の手書きデータを保存可能。ToDo機能も搭載し、「手帳+メモ+タスク管理」を1台でこなせる設計。
メリット
・本体が軽く、通勤カバンに入れても負担になりにくい
・紙の手帳に近い感覚で、さっと開いてメモできる
・スケジュール帳、ToDo、会議メモなど、ビジネスの基本的な用途をカバー
デメリット
・PDF閲覧や高度なクラウド連携などは他モデルほど強くない
・画面サイズが小さいため、細かい図や長文の閲覧には不向きなケースも
こんな人におすすめ
・紙の手帳を電子化したいが、操作はできるだけシンプルな方が良い人
・タスク管理を習慣化したいビジネスパーソン
Supernote A5 X2 / A6 X2 Nomad
特徴
- Supernoteシリーズは「書き心地」と「長く使える設計」にこだわった電子ノート。
- A5 X2(Manta)は10.7インチ300ppiのE Inkディスプレイ+FeelWrite 2フィルム+セラミックペン先により、紙に近い書き味を実現。
- バッテリーやマザーボードが交換可能なモジュラー構造で、長期利用・電子廃棄物削減を意識した設計。
- A6 X2 Nomadはコンパクトサイズで、移動中でも使いやすいトラベル向けモデル。
メリット
・OSアップデートやバッテリー交換を前提にしたモジュラー設計で、長く使える
・テンプレートや手書き認識、クラウド連携など「紙以上の整理力」を備える
・自己回復フィルム×セラミックペン先による独特の「スラスラ感」で、長時間書いても疲れにくい
デメリット
・他モデルと比べて価格は高め
・前面ライトがないため、暗所では外部照明が必要(A5 X2)
・日本語情報・レビューは増えてきているものの、国産製品よりは少なめ
こんな人におすすめ
・「毎日ノートを大量に書く」レベルで使い込みたい人
・スケッチや図解も多く、手書きにこだわりたいデザイナー・コンサル・クリエイター
まとめ:あなたに合う電子ペーパーノートはどれ?
最後に、タイプ別にざっくりおすすめを整理します。
- 紙ノートの代わりに、仕事用の“メインノート”が欲しい
→ QUADERNO(クアデルノ)/Supernote A5 X2 - 会議が多く、議事録作成をAIに任せたい
→ AINOTE Air 2 - 資料・技術書・マンガも読みたい“全部入り”が良い
→ BOOX Note Air3 C - まずは紙手帳を置き換える、シンプルな1台が欲しい
→ フリーノ FRN10/電子ノート WG-PN1 - 移動が多く、コンパクトさと書き心地を両立したい
→ Supernote A6 X2 Nomad/AINOTE Air 2
迷ったときは、次の3つだけ決めてから製品を絞り込むのがおすすめです。
- AI機能は必須か?(YESなら AINOTE / BOOX)
- PDF資料をどれくらい読むか?(多いなら A5〜10インチクラス)
- 予算は?(まずは3万円前後までか、5万円以上も投資するか)

