Vlogや商品レビュー動画を撮っていると、「三脚だけだと画が単調」「手ブレでプロっぽく見えない」と感じることはありませんか?
そんなときに威力を発揮するのが“小型電動スライダー”。今回は、NEEWERやiFootageなど注目5モデルを比較し、目的別の選び方を分かりやすく解説します。
選ぶための重要ポイント
まずは、どのモデルが良いかを見る前に、小型電動スライダー選びで外せないポイントを整理しておきましょう。
① 撮影スタイルと設置環境をイメージする
小型電動スライダーといっても、性格はさまざまです。
- テーブルの上で商品をなめるように撮る
- デスクトップPCやキーボードを左右にスライドして見せる
- 小さなスタジオで人物やインタビューを撮る
- 外ロケでVlogカットに“ちょい動き”を足したい
たとえば、ZEAPON Micro2 Plusは本体長を短く抑えつつ、レール長を超えた移動距離を実現する「ダブルディスタンス構造」で、コンパクトなスペースでも長いスライドが可能です。
一方、NEEWER ER1シリーズは80cm/100cm/120cmという“しっかり長さのあるレール”で、横移動量を稼ぎやすいのが特徴です。
② 移動距離(トラベル)と本体サイズのバランス
- NEEWER ER1シリーズ:80cm(ER1-80)、100cm(ER1-100)、120cm(ER1-120)の3サイズ展開。長さ=おおむね移動距離に近いイメージで、横移動をしっかり取りたい商品PV向き。
- Accsoon TopRig S40/S60:S40は全長41cmで移動距離22.5cm、S60は全長61cmで移動距離42.5cmと、長さの割にしっかりトラベルが取れる設計です。
- iFootage SHARK SLIDER NANO 2(660):本体長約663mmに対し、カメラ移動距離433mm。
- ZEAPON Micro2 Plus:スライダー長が約34.7cmに対して、トラベルは約56cmと「本体長<移動距離」の設計。
撮影机が狭い・カフェ撮影が多い場合は、短い本体で長く動くタイプ(Micro2 PlusやNANO 2)を選ぶと扱いやすくなります。
③ 耐荷重とカメラ構成
本体が小さくても、積載できる重量は要チェックです。
- Accsoon TopRig Sシリーズ:水平最大積載4kg/垂直2.5kg。
- SHARK SLIDER NANO 2 660:水平耐荷重7kg/垂直3.5kg。
- ZEAPON Micro2 Plus:全方向4.5kg(水平では最大8kgとする仕様もあり)。
- NEEWER ER1シリーズ:水平5kg/45度傾斜時2.5kg。
- NEEWER 3輪ドリー:最大3kg。
フルサイズ一眼+中型ズームレンズ+マイク程度なら、多くのモデルで問題なく運用できますが、重いシネレンズ構成なら耐荷重7kgクラス(NANO 2やMicro2 Plus)ぐらいを見ておくと安心です。
④ 静音性とモーター制御の滑らかさ
- TopRig Sシリーズは高品質ブラシレスモーターを採用し、S字カーブのソフトスタート/ストップでスムーズな動きを重視。
- ZEAPON Micro2 Plusは高トルクステッピングモーター+フルードダンパー機構を搭載し、39dB程度の静音性をうたっています。
室内のインタビュー撮影や同時録音が多い場合は、静音性の高いモーター&スムーズな加減速が大事なポイントです。
⑤ 操作方法(アプリ/物理ボタン/リモコン)
- NEEWER ER1:専用アプリとリモコン(モデルによる)で、速度・移動方法(等速/スロースタート&ストップ)・A/Bポイント・ループ・動画長など細かくカスタマイズ可能。
- SHARK SLIDER NANO 2:本体タッチパネルやアプリで制御でき、多軸制御やAIトラッキングにも対応。
- Micro2 Plus:本体ボタンで3段階速度とループなどを設定でき、アプリからモーションパスやタイムラプスも作成可能。
- NEEWER 3輪ドリー:ワイヤレスリモコンで速度3段階・進行方向の切り替えが可能。
「現場でスマホをいちいち開きたくない」なら物理ボタン重視、「タイムラプスや複雑なパス撮影もやりたい」ならアプリの機能性を重視する…といったイメージです。
製品の比較一覧(おすすめ度つき)
| 製品名 | 種別 | 本体サイズ・移動距離の目安 | 耐荷重の目安 | 特徴 | こんな人におすすめ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| NEEWER ER1シリーズ | 電動スライダー | 80/100/120cmレール、レール長に近いトラベル | 水平5kg/45°で2.5kg | コスパの良いカーボンレール。動画・タイムラプス・120°パノラマ対応 | 商品PVやインタビューで“しっかり横移動”を撮りたい | ★★★★★ |
| Accsoon TopRig S | 電動スライダー | S40:全長41cm/22.5cm、S60:61cm/42.5cmトラベル | 水平4kg/垂直2.5kg | 静音ブラシレスモーター、Sカーブ加減速、視差機構付き | カメラバッグに入るサイズで多用途に使いたい | ★★★★☆ |
| iFootage SHARK SLIDER NANO 2 | 電動スライダー+多軸 | 660モデル:長さ約663mm/433mmトラベル | 水平7kg/垂直3.5kg | 多軸協調やAIトラッキングなど高機能。精度1μmのスライド軸 | 本格的な映像制作や多軸モーションを試したい | ★★★★★ |
| ZEAPON Micro2 Plus | コンパクト電動スライダー | 本体約34.7cmでトラベル約56cm | 水平最大8kg/全方向4.5kg | ダブルディスタンス構造、静音ステップモーター、手動⇔電動30秒切替 | 狭い場所でも長いスライドを撮りたい | ★★★★★ |
| NEEWER 3輪ワイヤレスビデオカメラドリー | 小型電動ドリー | 手のひらサイズ。直線・円弧走行に対応 | 最大3kg | リモコン操作で速度3段階。低いアングルやテーブル撮影向き | デスク上・床レベルのミニマルな動きが欲しい | ★★★☆☆ |
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各モデルの特徴とメリット・デメリット
NEEWER電動カメラスライダー ER1シリーズ
NEEWER ER1は、80cm/100cm/120cmの3サイズから選べる電動カーボンスライダーです。素材はカーボンファイバー+アルミ合金で、水平耐荷重5kg・45°傾斜で2.5kgまで対応とされており、一般的なミラーレス一眼〜軽めのシネカメラまで幅広くカバーできます。
動画撮影・タイムラプス撮影・120°のパノラマ動画撮影に対応し、アプリやリモコンから速度・加速方法(一定速/スロースタート&ストップ)、A/Bポイント、ループ、動画長などを細かく設定できます。
メリット
- レール長がしっかりあるので、横移動の“抜け”が分かりやすいカットが撮りやすい
- カーボンレールで重量と剛性のバランスが良く、屋外にも持ち出しやすい
- タイムラプスやパノラマ撮影に必要な設定が一通り揃っている
デメリット
- 80cm以上のレールは、狭い部屋や小さな机では設置スペースをとる
- 本体が長いぶん、持ち運びのバッグに工夫が必要
こんな使い方に最適
- 商品の横移動カットを“しっかり距離を取って”撮りたいEC用動画
- インタビュー中の「ゆっくり横移動」で、画に奥行きをつけたいシーン
Accsoon TopRig S(S40/S60)
Accsoon TopRig S40/S60は、コンパクトながら本格仕様の電動スライダーです。S40は全長41cmで移動距離22.5cm、S60は全長61cmで移動距離42.5cm。どちらも水平耐荷重4kg、垂直2.5kgのスペックです。
高品質なブラシレスモーターを採用し、S字カーブのソフトスタート/ストップ制御で静かかつ滑らかな動きを実現しています。
メリット
- 40〜60cmクラスでバッグに収まりやすいサイズ感
- ブラシレスモーター+S字カーブ制御で、スタート&ストップのショックが少ない
- 視差機構を備え、被写体にカメラを向け続けるような動きも可能
デメリット
- 多軸制御など“遊べる機能”はNANO 2ほど豊富ではない
- 日本国内での流通・情報量は、NEEWERやiFootageよりやや少なめ
こんな使い方に最適
- カメラバッグ一式と一緒に持ち運び、外ロケで「ワンポイントのスライド」を足したいVlogger
- インタビューやトーク番組で、横移動+わずかな視差をつけて画に立体感を出したい人
iFootage SHARK SLIDER NANO 2
SHARK SLIDER NANO 2は、iFootageの電動スライダーシリーズの最新モデルで、660モデルでは本体長663×133×99mmでカメラ移動距離433mm、水平耐荷重7kg・垂直3.5kgというスペックを持ちます。
AIトラッキングや多軸協調など、スライダーだけでなく“多軸モーションプラットフォーム”として使えるのが特徴で、スライド軸の精度は1μmとされています。
メリット
- 7kgまでの水平耐荷重で、重めのカメラセットにも対応
- AIトラッキングや多軸制御など、将来の撮影スタイル拡張に強い
- スムーズな動きとセットアップのしやすさはレビューでも高評価
デメリット
- 機能が多く、最初は設定項目に戸惑う可能性あり
- 他のエントリークラスと比べて価格帯は高め
こんな使い方に最適
- 企業案件やミュージックビデオなど、本格的な映像制作も視野に入れている
- 将来的にパン/チルト含む多軸モーションに挑戦したい
ZEAPON Micro2 Plus(Motorized)
ZEAPON Micro2 Plusは、「本体を短く・移動距離を長く」を両立したコンパクト電動スライダーです。長さは約34.7cmで、トラベルは約56cm。水平最大8kg、全方向で4.5kgの積載に対応するとされており、小型〜中型カメラまで問題なく運用できます。
高トルクステッピングモーターとフルードダンパー機構による滑らかな動き、約39dBの静音性、そして30秒で手動⇔電動を切り替えられるマグネティッククイックリリースなど、現場向けの実用性が特徴です。
メリット
- 机の上に置いても邪魔になりにくい短い本体で、56cmの移動距離
- 水平8kg・全方向4.5kgの高い耐荷重で、縦スライド/斜めスライドにも強い
- 本体ボタンだけでループや速度変更ができ、アプリなしでもある程度運用可能
デメリット
- 長さの割に価格は“しっかりプロ向け”
- シンプルな見た目に対し、機能を使いこなすにはある程度慣れが必要
こんな使い方に最適
- デスクトップレビュー、キーボードやガジェット撮影など、狭いデスク上での撮影が多い人
- 同時録音の多い現場で、静かで滑らかなスライドを求める人
NEEWER 3輪ワイヤレスビデオカメラドリー(DL100など)
NEEWER 3輪ワイヤレスビデオカメラドリーは、レールタイプではなく“3輪の電動ドリー”です。金属+プラスチック製のコンパクトなボディで、最大3kgまでのカメラやスマホを載せられます。
ワイヤレスリモコンから、速度(約1.4cm/s・2.4cm/s・3cm/s)と進行方向、スタート/ストップを最大約6m離れて操作できます。 2つのホイールは最大90°まで角度調整ができ、直線走行だけでなく円弧走行も可能です。
メリット
- 手のひらサイズで軽く、カバンに放り込めるポータビリティ
- テーブル上や床を、柔らかな“横移動+円弧移動”でなめるように撮れる
- 既存のカメラスライダーと組み合わせることで、ズーム風の動きも演出可能
デメリット
- レールがないため、床やテーブルの凹凸の影響を受けやすい
- モーター音が録音に入ることがあると注意書きあり
こんな使い方に最適
- ガジェットや料理など、テーブルの上の被写体をぐるっと回り込みたい
- スライダーほど大げさな装備は要らないが、ちょっとした動きが欲しいVlog撮影
まとめ:最初の1台は「撮影場所」と「機材の重さ」で選ぶ
最後に、要点をもう一度整理します。
- 小型電動スライダー選びのポイントは
- どこで使うか(机の上/部屋/外ロケ)
- どれくらい動かしたいか(移動距離)
- どのくらいのカメラ重量を載せるか(耐荷重)
- 静音性とモーターの滑らかさ
- アプリ・ボタン・リモコンなど操作方法の好み
- 迷ったときのおすすめの選び方
- デスク上の商品レビューが中心 → ZEAPON Micro2 Plus
- 今後も撮影機材を増やし、本格映像にも挑戦 → iFootage SHARK SLIDER NANO 2
- コスパ重視で、長い横スライドを撮りたい → NEEWER ER1シリーズ
- コンパクトさと実用性のバランス重視 → Accsoon TopRig S40/S60
- テーブルフォトやローアングルで遊びたい → NEEWER 3輪ドリー
ガジェット系の撮影は、スライダーを1本導入するだけで「プロっぽさ」が一気に上がります。
毎日の動画撮影に、もう一歩クオリティを足したいと思ったとき、この記事が小型電動スライダー選びの参考になればうれしいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

