鍋やしゃぶしゃぶ用に卓上IHが欲しいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない…という人も多いはず。そこでこの記事では、人気の卓上IH調理器10機種の特徴とコスパを比較し、「これを選べば失敗しにくい」モデルを用途別に紹介します。
卓上IH調理器を選ぶための重要ポイント
まずは「何を基準に選べばいいか」を押さえておくと、スペック表の見方が一気にラクになります。
1. 最大出力(W数)と火力調整段数
- 1400Wクラス
家庭用卓上IHでは、1400Wが“ハイパワー”の標準。山善 YEN-S140、パナソニック KZ-PH34、アイリスオーヤマ IHC-T43、コイズミ KIH-1406、maxzen MIHS-TI140、ティファール IH2025JPなどが1400Wクラスです。
→ 炒め物やすばやい沸騰など「ガスコンロに近い感覚」で使いたい人向け。 - 1000〜1300Wクラス
アイリスオーヤマ IHK-T392(1000W)、ドリテック DI-217(1000W)、象印 EZ-KG26(1300W)はやや控えめの出力。
→ 一人暮らしの鍋・温めや卓上用が中心なら十分。ブレーカーが心配な家庭にも◎。
火力調整段数が多いほど、とろ火〜強火まで細かく調整できます。
例:MIHS-TI140は200〜1400Wの7段階、EZ-KG26は火かげん9段階など。
2. 調理モード(加熱・揚げ物・煮込み・炊飯・低温など)
最低限欲しいのは「加熱」と「揚げ物」モード。
- パナソニック KZ-PH34:揚げ物コースに加え、鋳物ホーロー鍋・ステンレス鍋対応の「炊飯コース」を搭載。
- 象印 EZ-KG26:あげものコース(140〜200℃)、煮込みコースなどを備え、火かげんも9段階で細かく調整可能。
- レコルト RIH-1:加熱・低温調理・揚げの3メニューを搭載。IH対応鍋やフライパンも使えるのが特徴です。
「鍋だけでなく、煮込み・揚げ物・炊飯まで1台でこなしたい」なら、モードが多い機種を優先しましょう。
3. 静音性と本体の薄さ
食卓で使う卓上IHは、ファンの音がうるさいと会話の邪魔になります。
- パナソニック KZ-PH34は、弱火以下で約25dBの静音設計で運転音が気になりにくいのが特徴。
- アイリスオーヤマ IHC-T43は、メーカーが「低騒音化設計」「静音設計」と明記しており、薄型ボディでテーブル上でも圧迫感が少ないモデルです。
- 象印 EZ-KG26は高さ約3cmの超薄型。まるで“なべ敷き”のような高さで、鍋の具材を取りやすく、収納もしやすいのが大きな魅力。
静かなモデルを優先したいなら、「静音」「低騒音」といったキーワードが公式や販売ページに明記されているかをチェックしましょう。
4. 操作性・お手入れのしやすさ
- フルフラットなガラストップ
ティファール IH2025JP、アイリス IHC-T43、象印 EZ-KG26などは、上面がフラットなガラスで、サッと拭くだけで汚れが落ちやすい構造です。 - タッチパネル or ボタン式
タッチパネルは見た目がスタイリッシュで掃除がラク。ボタン式は押した感触が分かりやすく、年配の家族でも操作しやすい傾向があります。
5. 安全機能(切り忘れ防止・なべなし検知・マグネットプラグ)
多くの卓上IHには、安全機能が標準搭載されていますが、長時間の鍋パーティーや高齢の家族が触る場合は特に重要です。
- 象印 EZ-KG26:ダブルセンサーによる異常温度上昇防止、切り忘れ防止、なべなし検知、小物検知、マグネットプラグなど「5つの安全設計」を採用。
- maxzen MIHS-TI140:1分〜11時間59分まで設定できる切タイマーを搭載し、卓上利用時の切り忘れを防ぎやすい仕様。
- 山善 YEN-S140やコイズミ KIH-1406も、マグネットプラグや切り忘れ防止などの安全装置を備えています。
卓上IH調理器10機種の比較一覧
| モデル | 最大出力 | 調理モード・特徴(要約) | デザイン・サイズの特徴 | こんな人におすすめ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 山善 YEN-S140 | 1400W | 6段階火力・揚げ物温度調整・保温 | シンプルな1口タイプ。フラット天面で掃除しやすい | 1台で「煮る・焼く・揚げる」を安く揃えたい人 | ★★★★☆ |
| パナソニック KZ-PH34 | 1400W | 7段階火力・揚げ物・炊飯コース・静音設計 | 落ち着いたデザイン。操作部が分かりやすい | 鍋・揚げ物・炊飯まで“メインコンロ代わり”に使いたい人 | ★★★★★ |
| アイリス IHK-T392 | 1000W | 加熱・揚げ物・煮込みの基本モード | コンパクト&軽量で一人暮らし向き | 初めての卓上IH、低予算で試したい人 | ★★★☆☆ |
| アイリス IHC-T43 | 1400W | 加熱・揚げ物・煮込み、静音・薄型設計 | 薄型フルフラット。食卓でも圧迫感少なめ | 鍋や卓上調理が多く、静音&薄さも重視したい人 | ★★★★☆ |
| レコルト RIH-1 | 1200W | 加熱・低温調理・揚げモード、付属グリドルプレート | オシャレなグリドルプレート付き。テーブル映え◎ | 映えるテーブルクッキングやパーティーが多い家庭 | ★★★★☆ |
| コイズミ KIH-1406 | 1400W | 6段階加熱+保温、7段階揚げ物温度 | 約5cm厚のシンプルデザイン。マグネットプラグ | ベーシック機能+コスパ重視で1400Wが欲しい人 | ★★★★☆ |
| ドリテック DI-217 | 1000W | 加熱中心のシンプル機能 | 約20.5×20.5cmと超コンパクト | ワンルームやセカンド用に“とにかく小さいIH”が欲しい人 | ★★★☆☆ |
| ティファール IH2025JP | 1400W | 6段階火力、フルフラット天面 | ブラック系のスタイリッシュデザイン | デザイン重視で、フラットなIHが欲しい人 | ★★★★☆ |
| 象印 EZ-KG26 | 1300W | 9段階火力、揚げ物・煮込みコース、安全機能充実 | 高さ約3cmの超薄型・フルフラット | 食卓になじむ薄型&安全性を重視するファミリー | ★★★★★ |
| maxzen MIHS-TI140 | 1400W | 7段階火力、6段階揚げ物温度、長時間タイマー | 約261×372×57mmとスリム。価格が手ごろ | 1400W&多機能を低価格で狙いたいコスパ派 | ★★★★☆ |
各モデルの特徴とメリット・デメリット
山善 IHクッキングヒーター YEN-S140
1台で“煮る・焼く・揚げる”をこなす定番コスパモデル
1400Wのハイパワーで、煮る・焼く・揚げるといった基本調理に対応する1口卓上IH。火力・温度は6段階、保温は3段階に調整できるベーシックモデルです。
メリット
- 1400Wで鍋・炒め物など日常使いに十分な火力
- 保温段階もあるため、鍋の“食べごろ温度”をキープしやすい
- 価格が比較的手ごろで、コスパ良好
デメリット
- デザインはシンプル寄りで、“映え”を求める人には物足りない
- 静音性重視モデルほどの静かさはない
こんな人におすすめ
- 予算を抑えつつも、1400Wクラスのしっかりした火力がほしい人
- 「まずは無難な1台」を選びたい一人暮らし〜2人暮らし
- サブコンロとして、揚げ物や鍋を気軽に楽しみたい家庭
パナソニック 卓上IH調理器 KZ-PH34
静音×多機能で“据え置きコンロ代わり”にできる人気モデル
1400W・7段階火力に加え、「揚げ物コース」や鋳物ホーロー/ステンレス鍋対応の「炊飯コース」を搭載。弱火以下は約25dBの静音設計で、食卓での会話の邪魔になりにくいのが強みです。
メリット
- 静音性が高く、リビングダイニングで使いやすい
- 揚げ物・炊飯までこなせる多機能仕様
- レビュー件数も多く、実績のある定番モデル
デメリット
- 価格は1万円前後〜とやや高め
- サイズ・重量はエントリーモデルよりしっかりめ
こんな人におすすめ
- “ガスコンロの代わり”として、IHをメインに使いたい人
- 揚げ物や炊飯、煮込みなど幅広い料理を1台でこなしたい家庭
- 小さな子どもやペットがいて「静かな家電」を選びたいファミリー
アイリスオーヤマ IHコンロ 1口 1000W IHK-T392
はじめての卓上IHにちょうどいい、エントリーモデル
最大出力1000Wの1口IHコンロ。コンパクトな本体に、加熱・揚げ物・煮込みなど基本的なモードを備えています。
メリット
- 実売価格が安く、導入コストが低い
- 一人暮らしの鍋や簡単な温め用途なら十分な火力
- 軽量で収納・持ち運びがラク
デメリット
- 1400Wクラスと比べると、沸騰や炒め物に時間がかかる
- 静音・薄型などの付加価値は控えめ
こんな人におすすめ
- 「とりあえず卓上IHを試してみたい」一人暮らしの人
- ワンルームで収納スペースが限られている人
- 調理は主に電子レンジ+鍋程度で、ガッツリ炒め物はあまりしない人
アイリスオーヤマ 薄型IHコンロ IHC-T43
薄型×静音×1400Wでバランスの良い人気モデル
最大火力1400W、加熱・揚げ物・煮込みの3モードに対応。低騒音化設計で運転音を抑え、薄型フルフラットのガラス天面でお手入れもしやすい構造です。
メリット
- 1400Wで鍋・炒め物までしっかりこなせる
- 薄型で、食卓に置いたときの高さが抑えられる
- 静音設計で、夜の使用や集合住宅でも使いやすい
デメリット
- デザインはシンプルで、“高級感重視”の人には物足りない場合も
- 超薄型のEZ-KG26と比べると、薄さでは一歩譲る
こんな人におすすめ
- 「静かで薄い」卓上IHを探している一人暮らし・カップル
- 鍋やおでんなど、“みんなで囲む料理”が多い家庭
- 掃除がラクなフラット天面を重視したい人
レコルト 卓上IHクッキンググリドル RIH-1
“映え”重視のテーブルクッキングを楽しみたい人向け
専用グリドルプレートとIHヒーターを組み合わせたテーブルクッキング向けモデル。加熱・低温調理・揚げの3メニューを搭載し、IH対応鍋やフライパンも使用可能です。
メリット
- グリドルプレート付きで、焼き肉・お好み焼き・パエリアなどにぴったり
- デザイン性が高く、ホームパーティーで映える
- 低温調理メニューでローストビーフや温泉卵も作れる
デメリット
- 一般的な卓上IHに比べると価格は高め
- 「鍋専用」としてだけ使うならオーバースペックになりがち
こんな人におすすめ
- おうちで“映える料理”やホームパーティーをよく開く人
- 普段からレシピアレンジを楽しむ料理好きの人
- SNS用に写真・動画映えを意識したい人
コイズミ IHクッキングヒーター KIH-1406
ベーシック機能+1400Wで“必要十分”な1台
消費電力1400W。揚げ物は約140〜200℃の7段階、加熱モードは保温を含む6段階に調整可能。自動OFF機能や温度過昇防止、切り忘れ防止など安全装置も搭載しています。
メリット
- 1400W・揚げ物温度7段階と、日常調理に必要なスペックが揃っている
- シンプルで分かりやすい操作部
- 価格も比較的抑えめで、コスパ良好
デメリット
- デザインはシンプルで、“オシャレ家電”を求める人には不向き
- 特殊な調理モード(炊飯・低温調理など)はない
こんな人におすすめ
- 「多機能すぎなくていいから、標準的な1400W機が欲しい」人
- 実家用や2台目として、無難な1台を選びたい人
- コスパと使いやすさのバランスを重視する40代前後の家庭
ドリテック IHクッカー ピッコリーノ DI-217
とにかく小さい!A4より小さい超コンパクトIH
定格消費電力1000W。約幅20.5×奥行20.5×高さ5.0cmと非常にコンパクトなボディで、鍋底直径10〜16cmの小さめ鍋に対応する卓上IHです。
メリット
- A4用紙より小さいサイズ感で、収納場所をほとんど取らない
- サッと出してサッとしまえる軽量設計
- セカンド用としても導入しやすい価格
デメリット
- 1000Wなので、沸騰や炒め物は1400Wクラスより時間がかかる
- 大きな鍋には対応しづらい
こんな人におすすめ
- ワンルームで「とにかく省スペース」を優先したい人
- キャンプやベランダ焼きなど、ちょっとした屋外利用も考えている人(電源が取れる前提)
- 電気ケトル代わりに簡単な加熱・保温をしたいライトユーザー
ティファール フルフラットIH IH2025JP
フラットガラストップで掃除しやすいスタイリッシュモデル
消費電力1400W、火力6段階調整の卓上IH。ブラック系のトッププレートとフルフラットな天面が特徴で、デザイン性とお手入れ性を両立したモデルです。
メリット
- 天面がフラットで、吹きこぼれ・油ハネも拭き取りやすい
- ブラック基調のスタイリッシュなデザイン
- 1400Wで調理性能も十分
デメリット
- タッチパネル操作に慣れていない人には最初戸惑う場合も
- 価格はミドル〜やや高め
こんな人におすすめ
- キッチンやダイニングのインテリアに馴染むデザインを重視したい人
- こまめに拭き掃除をして、常にきれいな状態を保ちたい人
- ティファールのIH対応鍋・フライパンと合わせて使いたい人
象印 IH調理器 EZ-KG26
高さ約3cmの“超薄型”で、食卓と一体化する新モデル
消費電力1300Wで、高さ約3cmという超薄型ボディが特徴の卓上IH。ガラストップのフルフラット天面に、火かげん9段階、揚げ物・煮込みコース、安全設計5項目など機能も充実しています。
メリット
- 高さ約3cmの超薄型で、鍋の縁が高くなりすぎず食べやすい
- 9段階火力+揚げ物・煮込みコースで細かい火加減調整が可能
- ダブルセンサー・なべなし検知など安全機能が豊富
デメリット
- 新機種・高機能なぶん、価格はやや高め
- 奥行きはしっかりあるので、テーブルサイズは事前に確認が必要
こんな人におすすめ
- 小さなお子さんや高齢の家族がいる、安全性重視の家庭
- 鍋料理や煮込み料理をする機会が多く、火加減にこだわりたい人
- 食卓の見た目・スッキリ感にもこだわるファミリー
maxzen 卓上IHクッキングヒーター MIHS-TI140
1400W+長時間タイマーで“ながら調理”しやすいコスパ機
火力最大1400W、200〜1400Wの7段階火力設定と、150〜200℃の揚げ物温度6段階を搭載。1分〜11時間59分まで設定できる切タイマー付きで、煮込み料理にも対応できます。
メリット
- 1400W+多段階火力で調理の自由度が高い
- 長時間タイマー付きで、弱火でのコトコト煮込みに便利
- スペックに対して価格が抑えめでコスパが良い
デメリット
- フルフラット天面ではないため、拭き掃除はガラストップモデルに一歩劣る
- デザインは“実用重視”で、見た目のおしゃれさは控えめ
こんな人におすすめ
- カレーやシチュー、煮込みなどをよく作る家庭
- コスパ重視で、「長時間タイマー付きの1400W機」を探している人
- メインコンロのサポート用にも使いたい人
まとめ:用途別のおすすめと選び方の再確認
最後に、用途別のおすすめをざっくり整理しておきます。
- メインコンロ並みに使い倒したい人
→ 静音・多機能でバランスの良い
パナソニック KZ-PH34(揚げ物・炊飯・静音) - 食卓になじむ薄型&デザイン重視の人
→ 超薄型&安全機能充実の
象印 EZ-KG26、フルフラットガラスの ティファール IH2025JP、アイリス IHC-T43 - コスパ優先で1400Wが欲しい人
→ ベーシックな
山善 YEN-S140、コイズミ KIH-1406、maxzen MIHS-TI140 - 一人暮らしやセカンド用に“小さく安く”揃えたい人
→ 1000Wで十分なら
アイリス IHK-T392、ドリテック DI-217(ピッコリーノ) - ホームパーティーや映えるテーブルクッキングを楽しみたい人
→ グリドルプレート付きの
レコルト RIH-1
卓上IHは、「出力(W)」「モードの数」「静音性・薄さ」「安全機能」の4つを押さえて選べば、失敗しにくくなります。
あとはご家庭の人数とテーブルサイズ、予算に合わせて、上で紹介した候補から1〜2台に絞り込み、各ショップのセールやポイントアップをチェックしてみてください。

